京都中部総合医療センター
京大病院助産師
看護師・助産師の多様性に気づく良いきっかけに
「もっと分娩介助をしたい」と思ったのが、このプログラムに応募したきっかけでした。今後、助産師としてキャリアアップを目指していくときに、もっと多くの分娩介助を経験し、自分の助産に関わる技術を向上したいと思いました。出向先部署は、産婦人科だけでなく、内科やターミナルなど様々な患者が入院する混合病棟であり、今まで産科経験しかなかったため、老年期や他診療科の患者を看ることに当初は戸惑いました。ご家族のことやこれまでの人生について話をたくさんされる方、自宅に帰るために頑張る方、死期が近い方とどのように関わっていくべきなのかと悩むことも多く、産科でずっとやっていくと思っていた自分にとって、こうした視点はこれまでもっていなかったので、ハッとさせられましたが、これまで京大病院で身につけた技術や分娩進行中のアセスメント力等により、妊婦の状況を正しく判断し介助できているのではないかとも思います。
今回の出向にて感じたことは、妊婦の状況やスタンスがこれまでと違うことです。京大病院では、ハイリスク妊娠・分娩が多いために「治してもらう」という意識の方が多い印象ですが、ここでは「安心して生む」ために来られる方がほとんどであり、余裕をもって話す時間があり、お産に取り組む姿勢も様々なのだと感じました。これまでと違う環境を経験したことで、助産師としての多様性に触れることができたと思います。これからも患者さんにとってより良いケアが何なのかを考えながら、看護を実践していきたいと思っています。
看護は、人と人との関わりの上で成り立つ仕事。患者さんとの触れ合いを通じ、その気持ちを再認識。
これまで京大病院で、産科単科の病棟で妊産褥婦・新生児のケアを行っていましたが、
他の病院で行われている助産師のケアについても知りたいと思うようになり、このプログラムに応募しました。出向前は、慣れた職場を離れて新しい環境に身を置くことに不安を感じていました。特に、出向先は、産婦人科と内科の混合病棟であり、これまで婦人科や総合内科の看護経験がなかったため「本当にそこでやっていけるのか？」と不安でした。実際、出向開始直後は、内科や婦人科に関して分からないことばかりで、その都度聞いたり自分で調べたりと大変でしたが、先輩看護師の方が教えてくれますし、疾患を看ることで自分の知識も増えていきます。今思えば、出向前の不安はとても漠然としたものであり、案外、時間が解決してくれることも多いと感じました。
この出向にて一番嬉しかったことは、担当した同世代の妊婦から元気をいただいたことです。その方の分娩第1期や産後の授乳介助、退院指導をしていました。妊娠を機に色々苦労されていて、ご自身も大変な中お産されていたのですが、廊下ですれ違うといつも満面の笑みで話しかけてくれ、いつも元気を分けてもらっていました。退院の日、私は休みで会えなかったのですが、翌日出勤したときに、先輩から「○○さんとそのお母さん、おばあちゃんが、首藤さんによくしてもらったって喜んではったよ。お礼を言うといてくださいって」と教えてもらってビックリ。私の方が励まされていたのに！でも、本当に嬉しくて、また頑張ろうと思いました。大学病院とは入院される患者層や疾患だけでなく、設備もマンパワーも全く異なります。大きな枠組みでは同じ“看護”をしていても、環境に応じて求められる看護も変わるということに気づき、自分の行っていたケアや関わりを見直すきっかけになりました。あらためて、看護は人と人との関わりの上で成り立っている仕事だと感じ、どんな時でも笑顔と思いやりを忘れずに働きたいと思いました。
2015～2024年度人材交流実
- 京大病院 ⇒ 京都中部総合医療センター：助産師 2名